昭和の金持ちに学ぶ『私の財産告白』

昭和の大富豪「本多静六」の著書

『私の財産告白』

彼が数十億という資産をどのようにして築き上げたのか、その中身がなんなのかを見ていきたい。

本多静六とは?

そもそも本多静六とはどんな人物なのか?

端的に言えば、学者ながらに質素倹約に務め、 月給4分の1天引き貯金 を実行。

実業家として成功したわけではなく、その貯金を投資して大富豪となった人物である。

ここから言えるのは、事業で一発当てるようなことをしなくても大富豪になることは可能だということである。

本多静六が行ったこと

彼が行ったことは二つ。

それぞれについてみていく。

①月給4分の1天引き貯金しての徹底した倹約

彼は決して高給取りではなかったという。

ただの学者で、大学の教授だという。

しかし、彼は大所帯の家族(9人)のために日々の生活でいっぱいいっぱい。

この貧乏をやっつけるために月給の1/4…25%を天引きして貯金し、その残りだけで生活をした。

この点だけみてもこれが他の倹約精神からみても異常だ。

「バビロンの大富豪」でも、天引き貯金は1割、つまり10%までとしている。

しかし、彼はその2.5倍貯金に回している。

そしてそれを愚直に続けたからこそ、数十億という資産が生まれた。

また、本多静六は面白い表現をしている。

それは貧乏とはやっつけるものであること。

征服するもの。

圧倒するものだと語っている。

貧乏とは甘んじるものではない。

貧乏から目を背けてはならない。

しっかり見定め、向き合わなければならないのだ。

でなければ、ずっと貧乏神に付きまとわれることになる。

自身の置かれている状況を、しっかり見定めなければいけないのだということを私は学んだ。

②貯金を投資

彼が投資をしたもので、特に大きな影響を与えたのが土地だった。

それも平地ではなく山林だ。

彼が山林を買ったのはまだ明治のころ。

この時代ではまだ道路整備が進んでいないことから、道がない山林は驚くほど安かった。

木材を運ぶ道が無ければ、開発できないからだ。

しかし時流の変化や日露戦争で木材の大値上がりで一気に財を成しえた。

これはたまたまなのか、それとも先見の明があったのか。

彼自身はブ博士の教えによるものと言っているから、素直に人の教えを実行し、見事に成しえた素晴らしい例だ。

結局運が良かっただけ?

これだけ見ると、たまたま買った山林の需要が高まり、大儲けできた。

もちろんそんなことはなく、そこに至るまでの彼の道筋が確かなものだったのは間違いない。

特に1/4天引き貯金は、やってみようと思ってそう簡単にできることではない。

今の生活が給料を100%使いこんでいるなら猶更だ。

また、彼自身大変な勤勉家で、明治の時代にドイツ留学をし、大学教授にまでなっている。

このあたりはただ運がいいだけでそうなると思う人はいないだろう。

勤倹貯蓄にひたすら務めるその姿は、すごいの一言に尽きる。

その姿の結果が、なるべくしてなった大富豪だ。

上記以降の内容

本著では、彼がどのようにして資産を作り上げたか、それは全体の10%程度で終わっている。

そのあとは、彼の人生の中で金にまつわる多くのエピソード。

それも、苦難させられたものだ。

それは結局、金というものはどんなに正しい、謂れのない手段で稼いでも必ず厄介事を引き起こすということ。

寄付金ですら、その金額の大小でもめた事例が入っている。

ここから彼が経験したのは、金が増えれば自分も周りも変わってしまうということ。

1/4貯金を実施し、勤倹貯蓄に務めた彼ですらそうなるのだから、改めて金というものは恐ろしい。

だからこそ、金というものにどう向き合い、どう触れ合い、どう生きていくのかを、彼の経験から語られている。

これから財を成していこうと考えている人には、こちらの内容のほうがずっと重要だ。

一旦財を成してしまえば、まずほとんどの人間は自分を大した人間だと思い込み、傲慢になる。

そのころにこの本著を読み返し、金を持った時の心得を学ぶ気になるか?

絶対にならない。

私でも、こうして本著を読み終えたが、まだ金を持った自分を想像できていない。

想像できないから、金を持った時の心得を完全に理解したとは言い難い。

だからこそ、これからだという人にはとても大事なところだ。

一瞬、金を持つことへの恐怖すら私は感じた。

金を持つことが、ここまで問題を作り上げるのかと。

その問題には予想通りというか、人間関係の問題がほとんどだ。

だが、その恐怖に支配され、金を稼ぐ意思を失ってはいけない。

恐怖とは未知だ。知らないから不安になる。

またこの本を読み込み、問題への理解を深め、恐怖を打ち消していく。

まとめ

この本は金の稼ぎ方を学ぶ本ではない。

どのように金に向き合うか、という本だ。

金がない時、金がある時、金を使う時、金を無くす時。

その心得を学べる本だ。

稼ぎ方はやはり時代の違いもあり、そのまま真似するのは難しい。

今の時代に山林を買ったところで、どうやって儲けられるのか想像もつかない。

(この想像ができる人間なら、山林を買うのもありなのかもしれない)

しかし、その心得はどんな時代になっても通用する。

私が敬愛するウォーレン・バフェットに似ている気もする。

貧乏は嫌だ、お金が無い、将来が不安だ……理由は様々あれどお金が欲しいと考えている人には、是非読んでほしい。

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