今回オススメするのは『タカコさん』という漫画。この漫画は、「他人への余裕が無くなりそうと感じる人」にオススメしたい。
どんな漫画?
『タカコさん』は、ちょっとだけ耳がいいタカコさんという女性が、日常で聞こえる『音』をちょっとだけ意識しながら感じる日常を描いた漫画だ。
タカコさんは飲食店に勤務する一人暮らしの女性。耳がちょっとだけよくて、普通の人なら聞き逃してしまいそうな音に気付き、そこから気づきを得ていく。その気づきが、他人への思いやりを生むものであるということ。
また特徴としてはオノマトペが多い。ささやかな風の音や、加湿器の音、隣室の音、寝息…ありとあらゆる日常の音を描いている。これが、日常がどれだけ音に溢れているのかを表している。ふと忘れてしまいそうな音が、実はどれだけ大切で、その音に気付けるだけで心が変わることを教えてくれる。
しかし、このタカコさんを推す理由は音に注目した作品だからではない。それは、タカコさん視点で見る様々な人の背景と、それに対するタカコさんの解釈が見方を変えてくれるものだからだ。
タカコさんの魅力
そんなタカコさんの魅力とは何か?それは他人が発する音を通じてその人を見て知って気づく、そんな気づきが、ハッとさせられるような内容ばかりだ。以下に私がハッとさせられた一例を載せていく。
「サインは息づかいにまぎれてる」
「相手のカオが見えないから自分勝手でいい気がしちゃう」
「好きなことを仕事にしてるからって常に満足してなきゃいけないルールなんて無い」
「救急車の音に安心する人がいる」
どうだろうか?私にはどれも、漫画でありながら一種の自己啓発にも似た影響を受けた。
救急車の音は、私は普段なら「どこで病人でも出たのかな」というくらいの認識だった。しかし、これを救急車を呼んだ人という視点で聞いたことはなかった。そう聞くと、救急車の音が大切な人を助けてくれる音に聞こえてくる。その視点の違いを教えてくれるのがタカコさんだ。
他人の発する音を普段はただの騒音として捉える人も、その音の理由を少し立ち止まって考えると、ちょっとだけその人に寄り添うことができ、騒音から何かを感じ取れる心の叫びに聞こえるかもしれない。
もしあなたにもハッとさせられたものがあれば、もっといろいろ知ってもらいたいという意味でタカコさんをオススメしたい。
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