こんにちは。
今回は、加藤諦三 著の『心の休ませ方 「つらい時」をやり過ごす心理学』という本を読みました。
この本はいわゆるうつ病の人へ向けて書かれた本です。私自身はうつ病ではありませんが、読んでいると自身の受け取り方一つで鬱になる可能性はあるんだと実感しました。
内容としては様々な心の辛い状態、その辛い状態を生みだした原因、そして解決策が記されています。
この記事では本の詳しい内容解説よりも、心が辛い状態になっている人への対処法という内容でまとめていきます。
目次
心が辛い人は甘えたがり
心が辛くなっている人は、おおよそ他人に甘えたがりです。その根底には、幼少期での親からの愛、そして甘えるという欲求が満たされない状態で大人になってしまったから。だから、大人になってから他人に甘えようとします。
私の周囲にも心が辛くなっていると思われる人が何人かいます。その人たちは大体にして自分の境遇を嘆いてきます。如何に自分が辛い状況に置かれているのかを嘆くのです。ですが、彼らはその状況を解決しようとはしません。むしろ、解決するためのアドバイスを言うと鬱陶しがられます。
そこに彼らの甘えがあるんだなと感じました。彼らは、如何に自分が辛いかを相手に理解してほしいだけで、状況を改善したいわけじゃないんだと。ただただ他人が自分の境遇を理解してくれたという甘えが満たされればそれでいいんだということでした。
大人の甘えは満たされることはない
甘えてくるだけなら、その甘えを満たしてあげればいいんじゃないか?と思う方もいるかもしれませんが、残念ながらそれは叶いません。何故ならそれは偽りの甘えだからです。
彼らの本当の甘えは親からの無条件の愛への甘えです。彼らが他人に境遇を理解してもらいたい甘えは、本来親によって受け止められ、満たされるものです。他人にいくら甘えても、決して満たされることはありません。
前述したように私の周囲にもそういった方々がいますが、彼らは総じて何度境遇に理解を示しても収まることはありません。如何に自分が辛い状態にあるか、延々と語り続けます。その場が終わっても翌日にはまた語り始めます。聞いてるこっちがうんざりしてきても語るのです。この実体験からも、他人が甘えを満たしてあげることはできないんだと実感しています。
自分が甘えたいのだと気づくこと
では、そんな彼らがその状態から脱するためにはどうするか、甘えから抜け出すためにはどうするのか。それは、気づくことです。彼らは自分が何故他人に自分の辛い境遇を語り続けるのか、その原因を自分では気づいていません。その行動を無意識で行っているので、自分ではわかっていないのです。
だからこそ、気づくことが重要です。自分が、甘えからそのような行動をとっているということに気付くこと。
しかしながら、この気づくということは、他人の力でなんとかするには非常に難しいものです。いくらこの甘えたい人に、あなたは甘えたいだけなんだと諭そうとしても大体失敗に終わります。そんなことを言おうものなら、『この人は全然私のことを理解してくれない!』と逆切れされるのです。
相手が気づくまで放置するしかない
では、そんな心が辛くなっている人がいたらどうするべきか?
私は『放置するしかない』と思いました。一見ひどい判断のようにも思えますが、このような心に陥っている人に素人が関わってはいけません。人は頼られるとなんとかしたくなるという気持ちが湧いてくるものですが、その気持ちに蓋をして、関わらないようにするのです。はっきり言えば、素人の手に負えるものではありません。
だからこそ、放置するしかない。自分で自分の状況に気が付くのを待つしかないのです。逆に言えば、他人に甘えようとしても無駄だと気づかせてあげることでもあります。そう考えて、甘えようとしてくる人には心を鬼にして放置しましょう。
最後に
この本を読んで総じて感じたことは、心とは複雑なのだと改めて感じました。本著には様々な心の辛い境遇についても書かれていますが、その中には心が本当は求めていることとは逆のことを表に出してしまうという、相反する行動をとることもあると。
本著は心が辛い人が読む本と思うかもしれませんが、逆に辛くない人が辛い人を見かけたときにどう対処した方がいいのかを知る上でも大切だと思います。
以前は私もその甘えに気付かず、甘えを満たしてあげよう解決させてあげようと躍起になっていた時期もありました。もちろん、解決はしませんでした。人は、相手が困っているなら助けてあげようと親切心を出すものですが、本当の解決には至らないのだと、本著は教えてくれました。
コメントを残す