- スプレッドシートで家計簿をやりたい人
- 収入を増やすのは難しいので支出を減らしたい人
- 巷のスプレッドシート家計簿が難しくて諦めた人
こんにちは、せい(@aodama_s)です。手仕事大好きアナログミニマリストです。
今回は、スプレッドシートを活用した家計簿の作り方を紹介します。
スプレッドシートを活用した家計簿の記事はすでに世にあります。しかし、それを見て思ったんです。
丁寧過ぎて使える気がしない…
あまりにも細かく、丁寧に、見やすくなるように作られたそれを真似するのは、逆に扱うのが難しい。使われている関数も複雑で、何をやっている関数なのか理解するのが難しい。
そこで、真似するより自作したほうが手っ取り早いと思い、自分でひな型を作りました。今年で3年目になります。
ここで紹介するスプレッドシートを使った家計簿づくりは、エクセルやスプレッドシート未経験の方でも作りやすく、内容も理解しやすいものです。
是非参考にしてみてください。
スプレッドシートでの家計簿作成完了予定図
この記事で紹介する家計簿は以下のような形になります。
このように、家計簿の中身は支出のみをまとめています。
節約のための家計簿であれば、収入や資産といった情報は不要です。
収入を含めた家計簿にすると、それだけ家計簿は複雑化し、管理が難しくなります。
支出だけをまとめた家計簿づくりを行うことで、管理も手間も簡単になるようにしています。
『何に使ったのか』を把握するための家計簿
節約するために大事なことは、何にお金を使っているかです。
しかし、巷のアプリではいくらお金を使ったのかの把握は出来ても、何にお金を使っているかまでは分かりません。
仮に食費が4万円だったとして、これだけではなぜ食費が多いかはわかりません。食費の内訳をみて、コンビニのスイーツやジュース、外食など無駄と思える支出があったのを見つけたとき、初めて節約のための対策をとることができます。
家計簿で一番大事なのは、支出一覧表を作ることです。一覧表さえ作れば、あとは色々と加工できます。
最初からスプレッドシートで家計簿を始めるのはオススメしない
もし家計簿未経験者であれば、最初からスプレッドシートで家計簿をつけるのはオススメしません。
支出の記録が大変に感じ、継続できなくなることが多いからです。
買い物のたびに入力するのは、家計簿自体に慣れないと難しいです。
そこで、家計簿初心者の方に向けて、家計簿の始め方を別記事にて解説しています。
最初に上の記事を読んでからこの記事を読んでいただくと、途中で断念することなくスムーズに家計簿をつけられるようになります。
では次から、家計簿の作り方について解説します。
スプレッドシートでの家計簿の作り方
家計簿を作る手順は以下の通りです。
- Googleアカウントを作成する
- アプリ『スプレッドシート』を開く
- 『新しいスプレッドシートを作成する』をクリック
- 一覧表を作成
この順で解説していきます。
Googleアカウントを作成する
Googleアカウントを持っていない方は、アカウントの作成から始めます。
Googleアカウント作成⇒新しい Google アカウントを作成する(外部サイト)
アプリ『スプレッドシート』を開く
アカウントを作成したら、Googleのトップ画面の右上のアプリをクリックします。
アプリの一覧が表示されるので、スプレッドシートをクリックします。
スプレッドシートのトップ画面になりますので、右下の+マークにカーソルを合わせるとペンになります。それをクリック。
新規のスプレッドシート画面となります。
一覧表を作成
次は一覧表のひな型を作成します。一覧表には集計を行うためのデータの入力を行います。
ヘッダー作成
1行目に、以下の順で入力していきます。
- 日付
- 年
- 月
- 店名
- 品名
- 費目
- 金額
- 会計ごとの合計金額
- その月の合計金額
関数およびサンプルデータ入力
次はA2のセルに日付を入力します。
日付は関数の確認用なので、今日の日付でもなんでもいいです。
『A2のセル』とは、列の順を示すアルファベットと、行番号である数字を合わせたセルの場所のことです。
日付を入力した下のA3のセルに「=A2」と入力します。
すると、A3のセルにA2で入力した日付と同じ日付が表示されます。
次はB2のセルに関数を入力します。入力する内容は、『 =year(A2) 』です。
関数の入力は半角で行ってください。アルファベットの大文字・小文字はどちらでも大丈夫です。
これにより、B2のセルにA2に入力した日付の年だけを表示させることができます。
この列を作っておくことで、年別に一覧表の内容を確認する際に使いやすくなります。
同様に、その隣のC2には、『 =month(A2) 』と入力します。
これにより、C2にはA2で入力した日付の月だけが表示されます。月別で見る際に使いやすくなります。
ここからはサンプルデータを入力しておきます。関数の動作チェックのためです。
「会計ごとの合計額」と「その月の合計額」は、200と入力せず、どちらも『 =G2 』にしておいてください。
オートフィルを使う
次はオートフィルによる、連続コピーを行います。
オートフィルとは、特定のセルの中身を別のセルに連続コピーすることです。
B2セルとC2セルを範囲ドラッグし、C2セルの右下にできた青丸にカーソルを当てます。
するとカーソルが+に変わるので、そのまま下へドラッグします。
そうすることで、B2とC2セルの中身をドラッグした分のセルにコピーできます。
B3のセルより下の年や月が違う数字になってるのは、参照元になるセルが空欄になっているためです。
同様に、日付のセルもオートフィルでコピーしておきます。
次は店名の列です。D3のセルに『 =D2 』と入力します。同様にD2で入力したセブンイレブンが表記されます。
こちらもオートフィルを使ってコピーしておきます。
費目も同様にしておきます。
複雑な関数の設定
次は、「会計ごとの合計額」と「その月の合計額」のセルに関数を入力します。
まずサンプルとして日付から金額までを以下の通りに入力してください。
すでに関数で入力済みの日付や店名は、入力で上書きできます。
『会計ごとの合計金額』の列であるH3のセルに以下の数式を入力します。
=if(E3=””,0,if(D3=D2,H2+G3,G3))
この数式の内容を解説しますと、
- 同じ行の品名が空欄なら0を表示
- 空欄でない場合、店名が上の行と同じであれば上のセルの数字と左のセルの値を足した数値を。違う場合は、左のセルの値をそのまま表示
となります。
これはレシートの会計額と、スプレッドシートに入力した数値の合計が合っているかを確認する列になります。
関数を入力したらオートフィルでコピー。
数値が店名が切り替わったところで変わっていれば成功です。
次は『その月の合計金額』の列です。
これは『会計ごとの合計金額』と原理は同じ。一覧表に入力しながら現在今月いくらお金を使ったのか、すぐにチェックできるようにするためのものです。
I3のセルには以下の関数を入力します。
=if(C3=C2,I2+G3,G3)
ここまでで一覧表の基本構造は完成しました。
ここからは、一覧表を見やすくするための処置を行います。
罫線を引く
まず罫線を引きます。
今回入力した範囲をドラッグします。
メニュータブより、田のマークをクリックします。
罫線を引くパターンが表示されますので、左上の田のマークをクリックします。
これで罫線が引かれました。
フィルタの作成
次はフィルタを設定します。
フィルタを作るセルとして、A1からI1までをドラッグ。次に、メニューより『データ』をクリックし、『フィルタを作成』をクリックします。
すると、対象のセルの右端に逆三角形のようなマークが付きます。
フィルタを付けることで、特定の範囲のデータを見やすくできます。
例えば月のセルのフィルタをクリックすると、以下の画面が現れます。
月の列には「11」と「12」の数値があります。
12のチェックマークをクリックしてみましょう。
するとチェックマークが消えます。
最後に下にある『OK』をクリックします。
すると、12のデータがあった行が消えます。
これでフィルタにより一覧が見やすくなります。
- 年度別
- 月別
- 店別
- 品名別
- 費目別
などを内訳を確認しやすくなります。
表の拡大
次は表の拡大です。
現状では5行しか入力できないまま。これを、何品目でも入力できるようにします。
まずサンプルデータは一度消します。
このとき、サンプルデータとして入力したA6のセルが直接日付が入力されているので、『 =A5 』に修正しておいてください。
次に、一番下の行をAからIの列までドラッグ。
そしてオートフィルで一気にコピーします。ひとまず400行ほどコピーしておくとしばらくは持ちます。
足りなくなったら都度コピーしましょう。
列の幅の調整
次は列の幅の調整です。
現状ですと、年と月の列が空白が目立ち、表が無駄に横に伸びています。これを改善します。
まず年の列を適切な幅にします。BとCの列の間にカーソルを移動させると、カーソルが変化して二重線のようなマークに変わります。
この状態でダブルクリックすると、列の幅が適切な幅に変化します。
同様の方法で月の列も調整します。
CとDの間にカーソルを移動させ、カーソルが変化したらダブルクリック。
表示の固定
次は表示方法です。
現状ですと、下にスクロールした場合、1行目の列のタイトルが見えなくなります。
これでは各列が何を入力するのか、分からなくなってしまいます。
なので、1行目を下にスクロールしても見えるようにしておきます。
まずメニューバーの『表示』をクリックし、表示された『固定』にカーソルを合わせます。すると固定する範囲が出てくるので、『行1まで』をクリックします。
すると、1行目と2行目の間に罫線とは異なる線が表示されます。
この線より上が固定された行となります。
これで下にスクロールしても、1行目は表示されたままになり、何の列かがわかりやすくなります。
シートの名前変更
次はシートの名前を変更します。
複数のシートを使うことになるので、名前を付けておいた方が識別が楽になります。
名前の変更はシート1の脇にある逆三角形のマークをクリックします。
すると、シートについて様々なコマンドが出てきます。今回は『名前の変更』をクリックします。
今回は『支出内容』にしました。好きな名前を付けてもらっても大丈夫です。
交互の背景色
次は、行を見やすくします。
現状では全体が無地なので、分かりづらくなっています。これに色を付けて見やすくしていきます。
まずは表全体をドラッグ。
そうしたら、メニューバーより『表示形式』をクリック。その中で『交互の背景色』をクリックします。
すると、以下のようになります。
1行目がヘッダーとして濃い色に、それ以降は1行ごとに2色が交互に背景色となります。
右端に背景色の設定ができるので、好きな色を選んでみてください。
選んだら、最後に右下の『完了』をクリックします。
これで見やすくなりました。
ファイル名変更
最後に、スプレッドシートのファイル名を変更します。
「無題のスプレッドシート」となっている箇所をクリックします。
するとファイル名が変更できるようになります。
今回は『家計簿』とそのまま入力します。
これで一覧表は終了です。
集計表の作成については、次の記事で解説を行います。ここまでお疲れさまでした。
しかし、集計表を作成するには、一覧表のデータがある程度揃っていないと作成しても形に見えてきません。
集計表づくりは、一覧表のデータが2~3か月分溜まってからにすると設定しやすくなります。
ですので、家計簿のひな型づくりはここで一旦休止とし、今回作成した一覧表に買い物をした中身や、水道光熱費、通信費などの支出をどんどん入力していってください。
スプレッドシートを使いやすくするコツ
スプレッドシートで作った家計簿に入力するとき、毎回Googleのトップページからアプリを探していくのは手間です。
そこでオススメなのがスプレッドシートのブックマークです。
手順は以下の通り。
まずスプレッドシートで家計簿を開いたら、URLを表示している枠の右端にある星マークをクリックします。
すると、ブックマークの編集画面が現れます。
自分が見やすいフォルダを設定し、『完了』をクリック。
ブックマークが完了します。
これで家計簿に一発で飛ぶことができるようになります。
小さな手間でも潰しておくことが、長く続けるコツです。
最後に
スプレッドシートを活用した、簡単かつ節約に特化した家計簿づくりを紹介しました。
集計表の作り方に関しては後日記事にまとめます。
スプレッドシートを活用すれば自由度の高い家計簿が作れます。
今回の家計簿づくりを通して、基礎的なスプレッドシートの活用術は身に付きました。
もし、家計簿をつける中で、「こうしたらいいんじゃないかな?」と思ったことはどんどん試してみてください。
家計簿の在り方に正解はありません。節約できればそれがあなただけの家計簿になります。
よりよい節約ライフを送れることを願います。