- 手洗いを始めてみようと考えている人
- 手洗いがどんなものか知りたい人
こんにちは、せい(@aodama_s)です。手仕事大好きアナログミニマリストです。
ミニマリストとして物を減らしていく中で、一度は無くせるかなと考えるのが洗濯機。
しかし、洗濯機を無くすということは手洗いをするか、コインランドリーで洗うかの二択を迫られます。
お金がかかるし、行くのも面倒なコインランドリー。じゃあ手洗いならどうなんだろうと考えますよね。
そこで本記事では、実際に手洗いを始めて8か月経ったぼくの感想や、どんなふうに手洗いをしているのかを紹介します。ついでに、手洗いをしてみて分かったメリットデメリットも。
手洗いに興味がある方に、実際に手洗いを始めてみようか判断するための参考になると思います。
あらかじめ言っておきますと、洗濯は手洗いですが、脱水は洗濯機で行っています。そのことを前提に読み進めてください。
それではまず、実際に行っている手洗いの内容について紹介します。
手洗いの内容
手洗いについて説明する前に、どんな洗濯物を手洗いしているのかを説明しておきます。
一言で言うと、あまり汚れが付かない生活で着ているものになります。実際のぼくの生活環境は以下のような状態です。
- 在宅でデスクワーク
- 一人暮らし
- 汚れは日常レベルの汗や皮脂、食事の際の付着物くらい
なので、見た目にはあまり汚れていない衣服ばかりです。そのうえで、手洗いの内容を見ていってください。
手洗いの内容は以下となります。
- 水を溜める
- 洗濯物を畳んで水に浸す
- 押し洗いする
- 水を軽く絞る
- 洗濯機で脱水
- 干す
各内容について解説します。
水を溜める
最初に容器に水を溜めます。
使う水は普通の水道水ですが、シャワーの捨て水を活用するときもあります。
捨て水とは、給湯器から蛇口までお湯に変わるまでに流す水のことを指します。
洗濯物を畳んで水に浸す
次に洗濯したいものを畳みます。
畳むことで厚さをもたせ、次の洗い工程で洗いやすくするためです。
押し洗いする
水に浸けた状態で、洗濯物を何度も押し込みます。
洗濯物に水を吸わせ、それを押し込むことで水が押し出されるのと一緒に汚れも押し出します。
この押し出しをやりやすくするために、事前に洗濯物を畳んでおきます。
この作業を洗濯物1枚につき1~2分行います。
水を軽く絞る
押し洗いが済んだら、水を軽く絞ります。
パンツや靴下など小物は軽く握って絞ります。シャツやスウェットなどは、押し洗いと同様に押し込んで絞ります。
本格的な脱水は次に行うので、この時点では水が滴らない程度にします。
洗濯機で脱水
洗濯物を洗濯機で脱水します。
Tシャツやパンツなど乾燥が早いものは2~3分、スウェットなど乾燥に時間がかかるものは4~5分かけます。
干す
最後は天日干しに掛けます。
外に干すことで乾燥を早め、生乾きにならないようにしています。日光には除菌効果もあるので、水以外一切使わない洗濯では必須です。
ここまでがぼくが実際に行っている手洗いの内容です。
読んでいただいたように、普通の洗濯とは異なる点もあります。次からはその異なる点について解説します。
普通の洗濯と異なる点
洗剤は使わない
ぼくは洗剤を使いません。
これは過去の検証で、洗剤を使う必要が無いと判断したからです。
洗剤を使わないので、すすぎも行いません。そのため、洗いの時間は大幅に短く、すすぎの水も節水できます。
洗濯用洗剤をやめた経緯については以下の記事で詳しく解説しています。
洗濯機で脱水
手洗いするなら、脱水も手でやると思ってた。
ぼくは洗濯機は手放していません。脱水に洗濯機を活用しています。
というのも、手絞りでは脱水がかなり難しいからです。手絞りによる脱水の難しさは以下となります。
- 強く絞ると服を傷める
- 乾くのに時間がかかると生乾きになる
- 絞りが足りないと含んだ水の重さで服が伸びる
実際手絞りでなんとかしようとしましたが、上の問題が起きたため脱水は洗濯機頼りです。
ここまで手洗いについて見てきました。
次からは実際に手洗いをやってみて分かったメリット・デメリットを紹介します。
手洗いのメリット7選
手洗いのメリットは以下の通りです。
- 節水
- 毎日洗える
- 一応電気代節約
- 時間短縮
- 災害時の予行練習
- 服への愛着が湧く
- 手洗い推奨品が洗える
それぞれについて詳しく解説します。
節水
手洗いは洗濯機で洗うより使う水を少なくできます。
洗濯機はどんなに洗濯物が少なくても、最低水量があります。しかし手洗いなら洗濯物の量に合わせて少なくできます。
Tシャツ1枚、パンツ1枚、靴下2足、フェイスタオルが毎日着替えとなる洗濯物ですが、これだけなら水は5ℓもあれば十分です。
毎日洗える
手洗いは毎日の洗濯に向いています。
前述したように洗濯機には最低水量があります。しかし、一人暮らしで1日に出る洗濯物の量は多くなく、水の使いすぎになります。数日溜めてから洗うのが水の使用量として適正です。
しかし、手洗いなら水の使用量は自分で調整できます。水の使いすぎになりません。
一度脱いだ衣服を何日もそのままにしたくない、衣類の枚数を減らしたいという方には手洗いがコスパという点でもオススメです。
一応電気代節約
洗いの際に洗濯機を使わないので、電気代の節約もできます。
ただ、節約効果としては微小なので、「電気代の節約」という名目で手洗いするのはオススメしません。
縦型洗濯機ですと1回の洗濯に掛かる電気代は約3円ほどなので、洗いを無くしても節約できるのは1~2円程度。節約効果を実感しにくいので、あまり意識しないほうがいいでしょう。
時間短縮
手洗いは洗濯機で洗濯するよりも短時間で終わります。
通常の洗濯コースであれば30~40分ですが、手洗いなら5~10分程度で終わります。洗濯機で洗っていては間に合わないときなど、急ぎであれば手洗いは有効です。
災害時の予行練習
災害に遭い、電気も水道も使えない時。そんなときの予行練習にもなります。
手洗いは電気が無くても、水と水を溜める入れ物さえあればできます。水を節水できるので、災害時の限られた水で洗わなければいけないことにも対応できます。
いつ災害に遭うかは誰にも分かりません。そんなときに、災害時への対応が取れるのは心の安定にも役立つと思います。
服への愛着が湧く
手洗いをしていると、水が汚れていくのが分かります。一見汚れていないように見えてもちゃんと洗えば汚れが落ちていく。
汚れている服を自分で綺麗にする。手間暇をかけることで、服への愛着が湧いてきます。
洗濯機で洗うと中の様子は分からないので、こういったことが分かりません。汚れていたかわからず、綺麗になったことにも実感がない。洗濯機で洗うことは、どこか他人事のような感じでした。
手洗い推奨品が洗える
手洗いができると、洗濯機では洗えない服を買ってもいいと思うようになります。
例えば伸びやすいニット系の衣類など。洗濯機で洗うと伸びるか縮むかしてしまう服なんかは、手洗いかドライクリーニングになります。
洗濯機に慣れてしまうとそういった服を持つことが面倒に感じ、避けてしまいます。
ニット帽を持っていますが、手洗いして伸びず縮まずで長持ちさせています。
ここまで手洗いのメリットを見てきました。
次はデメリットを見ていきます。
手洗いのデメリット5選
手洗いのメリットは以下の通りです。
- 脱水が難しい
- 自分の時間が減る
- 大量の洗濯物は向かない
- 力仕事
- 手が冷たい
それぞれについて詳しく解説します。
脱水が難しい
手での脱水は難しいです。
前述しましたが、手での脱水には色々な難しい点があるため、脱水は洗濯機頼りです。
手洗いよりも脱水をどうするかが、洗濯機を手放すためのキーポイントと言えそうです。
自分の時間が減る
自分の手で洗うので、自分の時間を使います。当然、自分の時間は減ることになります。
洗濯機頼りだったときはボタン一つ押すだけで済んでいたので、洗濯に時間が取られるという感覚は一切ありませんでした。それだけに、手洗いで時間を消費することは強く実感します。
手洗いをするためには、時間の余裕は必須と言えるでしょう。
大量の洗濯物は向かない
手洗いは一気に大量の洗濯物を洗うことはできません。シャツなら2枚重ねて洗えるくらいです。
そのため、洗濯機と異なり、洗濯物が増えれば増えるほど洗濯にかかる時間は増えます。そのため、大量の洗濯物を洗うには向きません。
1~2人分までなら問題ないでしょうが、それ以上となるとかなり厳しいといます。
洗濯機は容量以上でなければ、洗濯物の量で時間は変わりません(使用する水の量は変わるので、水を溜める時間が延びるくらい)。家族形態に合わせて選ぶ必要があるでしょう。
力仕事
Tシャツやパンツなど薄い衣類は問題ありませんが、スウェットなど厚い衣類になると一気に力仕事になります。
ぼくは敷パッドやブランケットも手洗いしますが、そうなるとかなり大変です。押し洗いにはかなりの力が要ります。
手ではなく、足で踏んで洗うこともあります。
そして洗い以上に大変なのが脱水。たっぷり水を含んだ敷パッドはかなりの重さ。それを洗濯機まで運べるように軽く絞るだけでもかなりの重労働です。
手が冷たい
冬のような寒い時期には、水が冷たいので手洗いも辛いです。
そういう時期は、なるべくシャワーの捨て水にお湯も加えて少し温めにしています。
あまり加えすぎるとお湯のガス代がもったいないので、ほどほどにしています。
冷たいからと言ってお湯をガンガン使っては高コストに。洗濯機なら使わなくて済むコストがかかるので、このあたりは悩みどころです。
ここまで手洗いのデメリットを見てきました。
では次からは、ここまでの内容を踏まえて手洗いをしてみた感想を述べていきます。
手洗いの感想
手洗いの感想は大まかに分けて以下の通りです。
- 洗濯が手軽で無くなった
- 洗濯とは何なのかを改めて考えるきっかけに
- 手洗いだけで汚れも匂いも無くなる
- 洗濯機無しで大量の洗濯物を洗う苦労
それぞれについて詳しく述べていきます。
洗濯が手軽で無くなった
ボタン一つで済んでいた洗濯を手で行う。かかる時間は数分ですが、それだけでも『洗濯は手軽で済む』という認識が無くなりました。
使う水の量、手洗いの労力、絞る苦労…どれも自分で行うことで、初めて洗濯にかかる消費がどんなものなのかを実感します。
洗濯機任せにしていると、消費している水や洗剤といった資源にも無頓着になっていることに気付きました。
手洗いをするようになって、洗濯に使う水をどれだけ無駄にしていたかを気にするようになりました。シャワーの捨て水を使うというアイデアも、手洗いするようになってから生まれたものです。
洗濯とは何なのかを改めて考えるきっかけに
手洗いで服を洗うごとに、水が汚れていく。一見汚れていないように見える服が汚れているということを実感しました。
同時に、洗っても水が汚れない服もあります。つまり、汚れていない…洗う必要が無い服を洗っていたこともあることも分かりました。
そうしていると、何のために洗濯しているのか?を考えるようになりました。
洗濯機に入れることが洗濯なのか。そうじゃない。汚れているものを洗って、綺麗にするのが洗濯。
汚れていない服をわざわざ洗い、水を無駄にして、服も傷めて…これに洗剤まで使っていれば、もっと無駄を増やすことになる。
目の前のそれは、洗う必要があるのか。それをきちんと考えるようになりました。
手洗いだけで汚れも匂いも無くなる
手洗いを始めた当初は、押し洗いと水だけで汚れが落ちるか半信半疑でした。
しかし、真夏でかいた汗をたっぷり吸ったシャツも、水で押し洗いするだけで綺麗になった。においも無い。
改めて、洗剤と洗濯機の存在意義は何だったのかを考え直しました。
同時に、水の洗浄力にも改めて気付かされましたね。
もちろん、洗濯機が要らないものだとは言いません。ですが、全員に必要なものだというわけでもない。
洗濯機で数十分かけて洗うのと、手洗いで数分洗うのが同じ結果になっている。現代の洗濯は少し過剰なのではないか?そう思いました。
洗濯機無しで大量の洗濯物を洗う苦労
一人暮らしには過剰な洗濯機。だからこそ、洗濯機の偉大さも改めて実感します。
一人分だけなら手洗いで大変だと思うような量にはなりません。しかし、これが複数人分あると想像すれば、間違いなく洗濯機を頼ります。
洗濯機が生まれた時代背景を鑑みると、決して洗濯機を否定したいわけではありません。寒い冬、一人分なら手がかじかむ前に終わる手洗いも、複数人分あればどれだけ辛いことか。
手洗いをすることで、どうして洗濯機は必要なのかを改めて考え直すきっかけになりました。
手洗いを始めるなら
ここまで読んでいただいて、「とりあえず手洗いを始めてみようかな?」と思った方に、オススメのステップを紹介します。
そのステップは以下の通りです。
- 洗剤無し(水だけ)で洗濯機で洗濯
- 汚れ、ニオイが問題無ければ手洗いに挑戦
何故このステップを勧めるかというと、洗剤の有無で手洗いの苦労は全く変わるからです。
ぼくは水だけで手洗いするからこそ、手洗いを問題なくできています。しかしこれが、洗剤を必要としていたらできていなかったと思います。そのくらい、すすぐ手間というのは大変です。
まず、あなたの洗濯物が水だけで汚れが落ちるものか、確かめることをオススメします。そうでなかった場合は、手洗いにこだわらないほうがいいでしょう。
洗濯は生きる上で欠かせないものです。その洗濯に、大変さからストレスを感じるようなことがあっては継続するのは難しい。
手洗いは、ストレスを感じない程度にやるほうがいいです。
手洗いに使う道具
ここからはぼくが実際に手洗いで使っている道具を紹介します。
まずは手洗いするために使っているバスケット。
水抜き栓が付いているので使いやすいです。容量も15ℓなので、敷パッドならぎりぎり収まって洗えます。
手洗いするための道具はこれだけです。洗濯板などはありません。洗濯板は汚れがひどい場合に用いるものなので、デスクワークのぼくには要らない物です。
次に紹介するのは干すための道具です。
乾燥機は持っておらず、全て外干しです。太陽の光と風に当てることで乾燥を早め、雑菌が湧かないようにしています。
どちらもステンレス製を採用。ピンチハンガーは24ピンチと小さめですが、毎日手洗いするのでそのサイズで十分と判断。
干しネットは、ニット系の小物を干すことにも使っています。
濡れた状態でぶら下げるとニット系は伸びてしまうので、こういった網に乗せて乾かすことで伸びるのを防げます。
ここまで手洗いについて見てきました。
次は、ぼくが手洗いを始めるきっかけについて、少しだけ述べさせていただきます。
手洗いを始めたきっかけ
ぼくが手洗いを始めようと思ったきっかけは、服の枚数を減らせるかということからでした。
以前のぼくは、シャツやパンツなどのインナーは6枚ずつ持っていました。3日に1度洗濯していたので、そのくらいの枚数が必要でした。
この6枚に買い替えの時期が迫っていたときに、「この6枚を減らせないか?」と考えたんです。
その時には、すでに洗濯は洗剤を使っていませんでした。それがあったから、すんなり手洗いを始めることができました。
そして実験的に手洗いを始めてみたら、思った以上に綺麗になるし、それほど手間にも感じない。それ以降、ずっと手洗いを継続しています。
そしてインナーも、6枚→3枚に減らすことができました。毎日洗えることで、3枚で回せるようになりました。
どうして毎日洗うなら3枚になるのかについては、以下の記事で紹介しています。下着の枚数を適正枚数にしたい方は読んでみてください。
最後に
手洗いについて見てきました。
簡単なようで意外と奥が深い手洗い。いきなり洗濯機を手放して手洗いを始めるよりも、洗濯機を手放さずに手洗いを始めてみたり、洗剤を使うところからやめてみたりと、段階を踏んでみることをオススメします。
インナーやタオルなど軽いものはできるけど、重いものは難しいなら洗濯機を使う。
普段は手洗いだけど、洗濯物が一気に増えたときは洗濯機を。
そういった使い分けも、十分ありではないでしょうか。
「洗濯機を絶対に使わない」と決めるよりも、手洗いも洗濯機もどちらも選択肢として持っておくほうが、ストレスを抱えない生活につなげることができると考えます。
手放すことに固執せず、何のために手洗いするのか目的を忘れないで挑戦してほしいと思います。