- 対流型ストーブの使い勝手を知りたい
- 本当に暖かくなるのか気になる

こんにちは、せい(@aodama_s)です。手仕事大好きアナログミニマリストです。
やっぱり寒い冬は火で暖まりたい。
というわけで今回、新しくトヨトミの対流型石油ストーブ『 RB-25M』を買いました。

ホームセンターで多く売られている反射型とは異なる対流型。
暖かいのか?
燃費は?
節約になるのか?
本記事ではそういった気になるであろう点を解説していきます。実際に使ってみて感じた良い点や不満な点、温度計を使った詳細な温度データも集計してみましたので、対流型ストーブを買おうかなと考えている方の参考になるかと思います。
まず使ってみた結論は以下の通りです。
- 暖かいか?→時間はかかるが暖まる
- 燃費は?→低出力なので長持ち 4.9ℓで40時間
- 節約になるか?→節約は難しい むしろエアコンより高くつくかもしれない
型番のRB-25MとRB-25Nの違いは製造日による違いのみで、仕様上の違いはありません。Nの方が新しいです。
それでは今回買ったストーブの仕様から見ていきます。
今回買った灯油ストーブ
今回買った灯油ストーブは、トヨトミの対流型ストーブ『 RB-25M』です。

仕様
その仕様は以下の通り。

暖かさと燃費に関わる仕様を抜粋します。
最大燃料消費量 | 2.5kW(0.243L/h) |
暖房出力 | 2.5kW |
油タンク容量 | 4.9L |
燃焼継続時間 | 約20時間 |
燃焼継続時間が20時間というのは、他メーカーの対流型ストーブと比較して最も長いと思います。さらにこの20時間は最大出力で使用した場合なので、出力を下げることでもっと長持ちさせることができます。

出力を50%にまで絞った場合の燃焼時間は40時間にもなります。長時間燃焼できるのに惹かれて購入しました。
安全性
対流型ストーブは熱が上部から放出されます。反射型と違い、周囲への熱の拡散がほとんどありません。

不意に柵に触れても火傷することは無し。さすがに上部に近づくほど柵も熱を持ちますが、火傷のリスクは他のストーブよりも低いです。灯油ストーブの中でも安全性は高いと思います。
また、下部が広い造りなので、地震などの揺れでも倒れにくい構造をしています。転倒による火災リスクも低いのは安心ポイントですね。
使いやすさ
使い勝手は簡単。点火は中央のハンドルを『点火』まで回すと、「ビー」という音がします。すると着火しますので、後はハンドルから手を離し、火が安定するのを待ちます。

消火するときは逆にハンドルを回します。徐々に火が小さくなり、消えていきます。

「消火」に回してから完全に消えるまで、約5分ほどかかります。一見火が消えたようで、実は残ってたりするので注意が必要です。
ここまで対流型ストーブの仕様を見てきました。次からは、実際に使用してみての感想を紹介します。
使ってみての感想
使ってみて良い点・不満な点がそれぞれ6点ずつありました。良い点は、
- 静か
- しみる暖かさ
- 楽しい
- 雰囲気がいい
- コンセントがいらない
- 継続して暖かい
不満な点は、
- 給油が面倒
- 換気が面倒
- 暖まるまで時間がかかる
- 灯油の匂いが気になる
- 物が増えた
- 電池が必要
良い点
静か
一切音がしない静かさがあります。エアコンのようにファンや室外機の音もなく、石油ファンヒーターよりも静か。
静かすぎて点けてるのを忘れてしまうくらい、静かです。
しみる暖かさ
灯油ストーブの暖かさはエアコンと違い、体にしみるような暖かさがあります。体の芯から暖まるような暖かさといえばいいでしょう。

エアコンは体の外側だけを温めるようなもので、温かいのには間違いないのですが、どこか寒々しい。体を暖めるなら、やっぱり灯油ストーブですね。
楽しい
灯油ストーブは火を使うので、温めたり炙ったりと色々なことができます。
パンを炙ったり。

焼きおにぎりを焼いてみようとしたり。

こうやって火で遊ぶのはやっぱり楽しいです。
雰囲気がいい
トヨトミの対流型ストーブは、その火が七色に映ります。

レインボーストーブと呼ばれ、ガラスに施された処理によって七色に光ります。部屋を暗くするとその光が美しく部屋を照らしてくれます。

美しい火を肴に酒を飲むのも楽しいです。
コンセントがいらない
このストーブにはコンセントが不要です。着火には電池を使い、マッチで点けることもできます。
おかげで置き場所がコンセントに左右されず、置きたい場所に置けるし、掃除の時にも移動が簡単です。

停電時にも使えるというメリットがあります。
継続して暖かい
今回の灯油ストーブには温度感知機能はついていません。なので、調整しない限りは一定出力でずっと燃え続けます。
エアコンは霜取りで停止することがあり、その時に部屋が一気に冷えてきます。特に足元の冷えは辛い。灯油ストーブはそれが無いので、常に暖かさを維持してくれます。
ここまで良い点を見てきました。次は不満な点を見ていきます。
不満な点
給油が面倒
灯油ストーブなので給油は必須です。それが面倒ですね。

もちろん、灯油を買い出しに行くという手間もあります。コンセントにさえ繋がれば何かする必要が無いエアコンと違い、手間が増えます。
換気が面倒
火を使うため、換気も必要です。定期的に空気を入れ替えなくてはいけません。
せっかく暖めた空気を外に逃がすのはもったいないと感じますが、やらないと一酸化炭素中毒のリスクが高まりますので仕方ありません。
一酸化炭素中毒が怖いという方には、一酸化炭素チェッカーという商品があります。
暖まるまで時間がかかる
対流型ストーブは暖まるまでそこそこ時間がかかります。
測定したデータは後述しますが、最大出力で1時間は経たないと暖かいと感じられません。その点では、エアコンのほうが部屋の空気を暖めるのは早いです。
思ったより暖かくはない
エアコンより低燃費で暖かさがあればいい。そう思って買いましたが、残念ながら期待通りとはいかないようです。
暖かくはなりますが、暖かくするにはそれなりの出力が必要。それだとエアコンの電気代と灯油代を比較したとき、同じくらいか灯油代のほうが高くつきそうという見込みです。

ここに灯油ストーブの本体代も加えますと、節約という目的は果たせそうにありません…
灯油の匂いが気になる
灯油ストーブですから多少なり灯油の匂いがします。
使用中はほとんど気になりませんが、消火した際には少し匂ってきます。換気も兼ねて灯油の匂いも外に逃がしていれば、気にならないレベルにはなってきます。

ただ、給油切れで不完全燃焼し始めるとかなり灯油臭くなります。灯油を切らさないように給油する必要がありますね。
物が増えた
灯油を扱うので、そのための物が増えました。ミニマリストとしては避けたいところですが、仕方ないと諦めました。
増えたのはポリタンクにポリカンポンプ。


このポリカンポンプは圧力で灯油を給油します。ギュッと握るタイプではなく、上のポンプを押し込むので疲れにくいです。結構いい値段しましたが、良い買い物したと思っています。

電池が必要

今回の灯油ストーブは電池での点火、もしくはマッチなどが必要です。昨今は電池が必要な機器が減り、ほとんどがモバイルバッテリー。わざわざ電池を用意しないといけな点が手間です。
コンセントを使わないのはメリットですが、乾電池が必要になるので、仕方ないというところです。

トヨトミの対流型ストーブには手回しでの着火タイプもあり、そちらは電池がいりません。ただ、価格が少し上がるので今回は見送りました。
ここまで使ってみた感想を見てきました。良い点・不満点ありますが、結果として買ってよかったのか。その結論を次に述べていきます。
使ってみた結論
対流型ストーブ、買ってみて良かったと思っています。
今回買った目的は、暖房費の節約とより暖かさを求めてのことでした。暖房費の節約は叶いそうにはないですが、暖かさは確か。
そしてやっぱり灯油ストーブは楽しい!炙ったり焼いてみたいするのが楽しくて、ついあれこれとストーブの上に載せたくなります。焚火ほど不安定でもなく、ろうそくほど小さくもない火が眺めていて落ち着きをくれるのもいいポイント。
また、灯油ストーブの体にじんわりと沁みる暖かさはクセになりますね。エアコンだけのときは足元がすぐに冷えてしょうがなかったのですが、灯油ストーブにしてからは足元までポカポカ。
ただ、暖まるまでにかかる時間がネック。完全にストーブ一択というのは難しいと感じました。それに、部屋の天井付近に熱が溜まりやすいので、サーキュレーターは必至。無音で静かな部屋とはいかなさそうです。
ストーブ1択にするのではなく、エアコンとうまく使い分けていく必要があると思いました。
エアコンと併用すると暖まりやすい
色々使ってみて分かったのですが、対流型灯油ストーブはエアコンとの併用がいいことが分かりました。
対流型灯油ストーブは部屋全体が暖まるのにとにかく時間がかかります。その代わり、一度暖まると暖かさはキープしやすい。逆にエアコンはすぐに暖まるけどす冷えるのも早いです。
なので、最初はエアコンと灯油ストーブを同時に起動し、部屋全体が暖まったらエアコンは切って灯油ストーブで暖かさを維持する。これが理想の使い方でした。
どちらかだけを使うより、それぞれの良い点を組み合わせて使うことで、部屋は暖かく燃費も効率よく使えると思います。
ここまで対流型ストーブを使ってみての感想を見てきました。ただここまでは全て主観的なもので、人によって異なる点もあります。
そこで次は、対流型ストーブを使ったときの部屋の温度変化を実測したデータをお見せします。暖かいというけれど実際には何℃になるのか、それが分かると購入するときの参考にしやすいと思います。
対流型ストーブの温度データ
まずデータの前に、部屋の条件をお見せします。部屋のサイズや素材によって温度が変わるので、参考にしやすくなると思います。
- 部屋のサイズ 6.5畳
- 木造アパート
これを踏まえて、測定する際の条件を以下に分けました。
- ストーブの出力 100%と50%の2パターン
- サーキュレーター使用の有無
- (サーキュレーターを使用したときの風量は「静音」レベル)
- 測定は床上0㎝と床上150㎝の2地点

測定したデータは以下となります(長いため折りたたんであります。『測定データ』をクリックすることで見ることができます)。
検証条件 | 測定時間(分) | |||||||||||
対流型ストーブ出力 | サーキュレーター使用 | エアコン使用 | 測定場所 | 0分 | 15分 | 30分 | 45分 | 60分 | 75分 | 90分 | 105分 | 120分 |
100% | 無し | 無し | 床上0㎝ | 6.6 | 9.3 | 11.2 | 12.6 | 13.7 | 14.7 | 15.3 | 16.1 | 16.8 |
100% | 無し | 無し | 床上150㎝ | 9.6 | 12.4 | 15.7 | 18.0 | 19.3 | 20.5 | 21.5 | 22.4 | 23.3 |
50% | 無し | 無し | 床上0㎝ | 3.8 | 4.5 | 6.1 | 7.1 | 7.9 | 8.5 | 9.1 | 9.7 | 10.0 |
50% | 無し | 無し | 床上150㎝ | 4.9 | 6.3 | 9.1 | 10.7 | 12.0 | 12.7 | 13.7 | 14.4 | 14.7 |
100% | あり(1) | 無し | 床上0㎝ | 5.9 | 8.8 | 11.9 | 13.8 | 15.4 | 17.0 | 18.1 | 18.7 | 19.2 |
100% | あり(1) | 無し | 床上150㎝ | 7.9 | 11.6 | 15.3 | 17.5 | 19.1 | 20.7 | 22.0 | 22.9 | 23.5 |
50% | あり(1) | 無し | 床上0㎝ | 4.9 | 6.7 | 7.8 | 9.1 | 10.0 | 10.9 | 11.4 | 11.9 | 12.7 |
50% | あり(1) | 無し | 床上150㎝ | 5.9 | 8.5 | 9.9 | 11.7 | 12.9 | 13.5 | 14.1 | 14.6 | 15.0 |
無し | 無し | あり(21℃) | 床上0㎝ | 4.6 | 5.9 | 10.1 | 13.1 | 14.8 | 15.9 | 16.1 | 16.2 | 16.9 |
無し | 無し | あり(21℃) | 床上150㎝ | 5.5 | 9.6 | 16.0 | 19.1 | 20.7 | 21.0 | 20.7 | 20.9 | 21.2 |
無し | あり(2) | あり(21℃) | 床上0㎝ | 8.0 | 10.1 | 13.9 | 16.1 | 17.5 | 17.9 | 18.1 | 18.7 | 18.6 |
無し | あり(2) | あり(21℃) | 床上150㎝ | 8.7 | 12.9 | 17.0 | 18.3 | 19.2 | 19.9 | 20.2 | 20.8 | 20.3 |
このデータをもとにグラフ化したものを次から載せていきます。
ストーブの温度データ
出力100% サーキュレーター無し

出力100%ですと、150㎝の箇所はどんどん温度が上がっていきます。0㎝の箇所も上がってはいきますが、2時間経っても17℃。
20℃まで上がらないと肌寒いレベルなので、灯油ストーブ単体では部屋全体を暖めるのは難しいです。
出力50% サーキュレーター無し

先ほどの出力の半分50%ですと、やはり温度の上昇速度は鈍いです。2時間経っても15℃弱。この温度では部屋全体が肌寒いくらいです。
出力100% サーキュレーターあり

出力100%にサーキュレーターを追加すると、床上0㎝の温度の上がり具合は良好です。2時間経てば20℃近くまで上がりますので、床に座っても暖かいと感じられるようになります。
出力50% サーキュレーターあり

こちらもサーキュレーターを追加することで、床上0㎝の温度の上がり具合はよくなります。ただ全体的に温度は低い状態。部屋全体の温度差は小さくなりますが、暖かいと感じるまでには至りません。
エアコンの温度データ
参考として、ストーブを使い始める前の使用環境である『エアコン+サーキュレーター』の場合の温度データも載せておきます。
普段はエアコンを使うときサーキュレーターの出力は『2』としているため、『2』での測定データになります。『1』(静音)では足元の冷えが厳しいためです。

若干測定した日の気温が高めだったので始まりが高めですが、やはりエアコンは温度の上昇が早いです。
こうしてみると、ちゃんと設定温度に近い温度を維持しているのが分かります。ただそれだけに、床上0㎝の温度があと少し足りないのが気になるところ。足元を20℃まで上げるなら、設定温度は22~23℃くらいがベストかもしれません。
ここまで各種条件での温度を見てきました。
比べるとやはりエアコンの効率性が分かります。ストーブは出力100%でも1時間では床上0㎝は15℃。それに対しエアコンは18℃まで上昇している。部屋の空気を暖める早さはやはりエアコンが上です。
節約を考えると出力50%で暖まればよかったのですが、やはりそれでは厳しい。使い方としては、部屋が暖まるまでは出力を高めにし、暖まりきったら出力を下げるのが良さそうです。
対流型ストーブで節約はできるか?
節約についてはまだ検証中です
エアコンに比べて節約できるかという点については、残念ながら節約は難しそうです。
ここではぼくの部屋で使ってみた内容から振り返ってみます。
エアコン代との比較
2025年1月の我が家の1日の暖房代はおよそ220円ほどでした。

計算は、最もエアコンを使わない月である6月と、1月との電気代の差で行っています。エアコン以外では電気代に差ができる家電は無いという前提です。
これを灯油換算したとき、1日に同じ金額の灯油を使えるとしたら、その灯油の量は約1.8リットルです(灯油価格120円/リットル)。1.8リットルは暖房出力100%で使った場合、7.4時間使える計算。
これに対し、ぼくが1日部屋にいる時間=暖房を使う時間は約13時間。出力100%で使った場合は、半分しか持ちません。
出力を50%にした場合は、理論上14.8時間もつことになり、少し余裕ができます。ですが、前述の温度データのように出力50%では部屋が暖まりません。それでは本末転倒です。

出力100%で使っては、部屋は暖まるけど灯油がもたない。
出力50%では、灯油はもつけど部屋が暖まらない。
この計算結果から、対流型ストーブでの節約は難しいと判断しました。実際には高い出力と低い出力を使い分けるので、上記の計算通りとはならないでしょう。しかし、最低出力となる50%であまり余裕がないため、節約は難しいと思います。
最後に
ここまでトヨトミの対流型ストーブを見てきました。購入する際の参考になったでしょうか?
エアコンとの暖かさの質の違い。
反射型の灯油ストーブと比べると、安全性の面で優れていると思います。
冷え込む冬に、トヨトミの対流型ストーブで過ごしてみてはいかがでしょうか?
はっきり言うと、節約目的で灯油ストーブはオススメできません。しかし、エアコンでの風が苦手だったり、インテリアとして火が欲しいといった方にはオススメです。
トヨトミの対流型ストーブについて、他に知りたいことがありましたらコメントしてください。できる限り返信させていただきます。