焦げ付かない鍋には当たり前のフッ素加工。
ですが、一部ではそのフッ素が有害ではないかという話もあります。特に子供がフッ素を取り込むと、骨の形成や脳への悪影響が懸念されています。
いくら焦げ付かないとはいえ、そのような恐れがある物質が使われている調理器具は、使うのをためらいますよね。
そうなると、コーティング加工がされていない鍋はどうなんだろうと気になるところ。
そこで今回は、コーティング加工がされていないステンレス製の鍋「柳宗理の片手鍋」を1年間使った経験を踏まえて、そのメリット・デメリットを紹介します。
デメリット
焦げ付く
表面にフッ素コーティングやらダイヤモンドコーティングといった処理はありませんから、普通に焦げ付きます。
煮るだけの鍋としてでなく、フライパン代わりにも十分使えますが、十分油を敷かないと焦げ付きますよ。
目玉焼きをよく焼きますが、ほぼ鍋に張り付きます。洗うとき、ほぼガシガシ擦る羽目になりますね。
ちょっと重い
重量1.34kg。
片手で扱うには、アルミ製の鍋と比べるとやはり重く感じます。フッ素コーティングされた鍋のほとんどは、中の素材がアルミ製なので軽いものが多いです。
盛大に鍋振りでもしない限りは腱鞘炎になることは無いと思いますが、鍋ごと傾けてよそう際は、中の具材と合わせて片手で支えられるか、確認したほうがいいです。
いざ片手で持ったら、鍋と具材の重さに耐えきれずこぼしてしまった…なんてことが無いよう、注意が必要です。
フタの形状が独特
フチの形状が少し独特です。
この独特な形状が、中の密閉度を上げているわけですが、その分汚れも溜まりやすいですし、洗いにくいという欠点にもなっています。
汚れたら、スポンジをフチ部分にギュッと押し付けて、スキマに押し込むようにして擦ると汚れを落とせます。
錆びる
ステンレスですが、もちろん錆びます。
ステンレスはあくまでも錆びにくい素材であって、アルミと違って錆びない素材ではありません。
錆が発生しないよう、毎日使うか、使わないときは油を塗っておくなどの処理が必要です。
錆が目立ってきたときは、メラミンスポンジで落としています。
良い点
煮物も焼き物もできる
焦げ付く恐れはあるけれど、焼きそばや野菜炒めなんかの炒めモノもできます。
もちろん、煮物やカレーなんかも作れます。
浅い鍋なので、菜ばしも不要。
油をしっかり引けば、目玉焼きや卵焼きもできますよ。
油が足りなかったりすると、焦げ付いて結構洗うの大変です。
2合炊きに丁度いい
炊飯は鍋派の私ですが、22㎝サイズですと2合のご飯を炊くのにちょうどいいサイズです。
火力を間違わなければ焦げ付くことなく焚き上げられます。
逆に言うと、おこげを作るのはちょっと難しいですね。
そそぎやすい形状
この片手鍋の真骨頂は、このそそぎやすい形状です。
お玉ですくいきれないわずかな汁って、普通の鍋なら注ぐときにこぼれやすいですよね。
しかし柳宗理の片手鍋は、この独特の形状のおかげで注ぐときに汁があらぬ方向に逃げることが無く、余さず注ぐことができます。
最後の1滴まできれいによそえますよ♪
丈夫。ただ丈夫
ステンレス製で、しかも表面には何もコーティングされていないので、スポンジでも金たわしでもなんでもガシガシ洗うことができます。
せっかくのコーティングが剝がれないようにと、気を遣う必要が無いのがいいですね。
また、調理の最中に材料を鍋底からかえすときも、コーティングを剥がすことがないので、金属製のへらで思いっきりかえせます。
ただ金属同士おもいっきりこするとあのイヤ~な音がしますから、ほどほどに…
湯切りもできる
その独特な形状から、ゆでた野菜の湯切りなんかもできます。
蓋をずらすことにより、注ぎ口部分が湯切り口に早変わり。
ただし、湯切り口のサイズは1㎝程度なので、豆など小さいものは流れてしまいますので注意が必要です。
湯切りの時は、片手で鍋を持ち、反対の手で蓋を押さえながらになるので、少し力がいりますね。
柳宗理の片手鍋の口コミ
悪い口コミ
ジーニーままさん
炒め煮にすることも多いので、フライパンと雪平鍋の良いとこ取りなら良いなぁと思っていたのですが、炒め物には向かないようです。予想以上にくっつきます。直径があるので煮込みハンバーグもそのまま作りたかったですがハンバーグ台無しになりました。やはりテフロンがラクで良いですね。
引用元:楽天みんなのレビュー
くっつきやすくて、コーティング有りのフライパンのような使い勝手は厳しいようです。
焼き物・炒め物には向かないですね。使えなくはないですが…そのあとが大変になります。
液だれしないのはとても良いのですが、しばらく使っていると柄がグラグラしてきてぐるぐる回ってしまうようになり、危なくて使えなくなりました。それが原因で今までに二回買い替えました。
引用元:Amazonレビュー
柄の部分がグラグラしやすいようで、構造の不安定さがあるようです。
柄の部分はねじ止めされているので、緩んできたらドライバーで締めなおすといいかもしれません。
お湯を沸かすとバチバチと水がはぜる(?)派手な音がします。
引用元:Amazonレビュー
そして、すごく汚れが付きやすく、また落としにくいです。
お湯を沸かすと爆ぜる音がするようです。ぼくが使っていてそのような経験は無いので、実態がどのようなものなのかは分かりません。
汚れについてはまさにその通りですね。付きやすく、落ちにくいです。ステンレスの色である銀色が、特に汚れを目立たせるため、余計にそう感じやすいのもあります。
良い口コミ
機能性重視で選んだつもりだったんですけど、コンロに乗せると厚みのある金属の曲線が美しくて、何だか見蕩れます。
引用元:Amazonレビュー
柳宗理の調理器具と言えば、そのデザイン性が魅力的ですね。
利便性がありながら美しさも兼ね備えていますので、使っていて飽きがこないのが良いです。
出汁を容器に移すときや、味噌汁の最後を器に入れる時、一度もこぼれない。
引用元:Amazonレビュー
汁をよそいやすい独特な形状をしていますが、その形状のおかげで、こぼすことなくよそえると好評なようです。
鍋肌も決して薄いとは思わないのですが、焦げやすいし、モノがくっつきやすい。炒める際にもあまり熱することも出来ません。
↓
その後このおなべ大好きになりました!
引用元:Amazonレビュー
というのも我が家の熱源が「ガス」から「IH」に変わったため。
「ガスには向いていません」などの表記は特になかったと思いますが、
これガスよりはIH向きです。
こちらは面白い口コミです。
以前はガスで使っていて不満があったのが、IHに変わったらその不満がごそっと消えたようです。熱源の種類で使い勝手が変わるようですね。
コンロがIHの方にオススメな鍋と言えますね。
最後に
柳宗理の片手鍋のメリット・デメリットを紹介しました。
率直に言ってものすごくオススメです。
最初はフッ素コーティングの健康に害があるのかないのか分からないのがイヤで、買ったステンレス製の鍋でした。
一番いいのは、剥げる恐れが無いから見た目が良いこと。
どんなにいいコーティングもいつかは剥がれますから、見た目が良くありませんし、機能も落ちます。
しかし、ステンレス製のこの鍋は、最初から最後まで見た目も使い勝手も変わりません。
初めて使った時に不都合を感じなければ、ずっとつかい続けられる素晴らしい商品です。
同サイズの片手鍋が約600gなので、倍以上の重さです。