周囲の人の心を読み違えることは、本当に不幸なことである。好かれるためにつらい努力をして、その結果、逆に嫌われたりするのである。自分のいいところを見せようと無理をして、逆に相手から、「なんでこの人は、こんなことをするのだろう」と興ざめされる。
「はじめに」より
早稲田大学名誉教授にして日本精神衛生学会顧問である『無理をしないほうが愛される』(加藤諦三 著)の著者はこのように述べています。本書は、人の心を読み違えて無理な努力をすることの危険性を警告しています。
「被害妄想」という言葉がある。私はその言葉にならって、「被嫌妄想」ということを言いたい。嫌われていないのに嫌われると思い込んでいる心理である。
「はじめに」より
著者はニッポン放送のラジオ番組『テレフォン人生相談』のパーソナリティを務め、多数の人たちからの相談を受けた経験を持ちます。また著者自身が無理をして生きてきたからこそわかる、無理をして嫌われる理由、無理をしないから好かれる理由を紹介しています。
きょうはその中から、いくつかピックアップして紹介していきます。
「等身大の自分と向き合う」ことで人は成長する
社会的には成功しているのに、心は破綻している人がいます。『社会的に成功した理想の自分』を演じ、本当の自分を恥じている人。それが無理をしている人だそうです。
理想の自分を演じなければならないという強迫的な行動によって、その人は自分の本当の問題から目をそらしています。しかし、本当の問題と向き合わなければ、将来より大きな問題となって降り注ぐのです。
大切な努力は「実際の自分を知る努力」である。
『「等身大の自分と向き合う」ことで人は成長する』より
だからこそ、本当の問題を直視し、受け入れることがその人を成長させます。本当の問題という名の現実の自分を受け入れることで、無理をしない人になることができるのです。
「自分は弱い」と認められると強く生きられる
「自分は弱いのだ」と自分を認めると、逆に相手が怖くなくなる。相手に自分を強く見せようとするから、相手が怖くなるのである。
『「自分は弱い」と認められると強く生きられる』より
例えば自分の意見を言うとき。
「自分が強いのだ」と思う人は、強い自分の意見は通って当然だという考えになる。だが本当にそうでしょうか?もしかしたら通らないかもしれない。
通らなければ、強い自分を否定されることになる。だから、相手に否定されたらどうしようという恐怖が、強い人にはあるのです。
しかし、弱い人にはそれがありません。
自分の意見が通らないといけないという気持ちがないからです。通さなければいけないという不安も恐怖もありません。
ですから、相手の意見もすんなり受け入れることができます。
弱さがあると認めることは、「私は私」「人と自分とは違う」ということを認めることにつながるのです。
自分の弱いところを認めることを通して「あの人のようにならなくてもいい」と感じるのである。
『「自分は弱い」と認められると強く生きられる』より
「人にどう思われているかが気になってしかたない」症候群
劣等感の強い人は、他人に『理想の自分』を見せようとすると著者は述べています。
彼らは相手によい印象を与えられたかにこだわります。その結果が自分の価値を決めるからです。
よい印象を与えたくて『理想の自分』にこだわります。しかし、その理想の自分とは自分の理想であって、相手が求める自分とは合っていないのです。このズレが、相手との関係を狂わせます。
しかし現実には、相手によい印象を与えようとする行為によって相手に嫌われているということがある。逆に、嫌われると思って避けた行為で好かれていたに違いないということもある。
『「人にどう思われているかが気になってしかたない」症候群』項目より
心当たりがある方もいるのではないでしょうか。
初めて恋人ができたとき、その恋人に自分がどう思われているのかが気になって仕方がない。
恋人に嫌われることを恐れ、よい印象を与えたくて『自分の考える理想の恋人』になる。なのにどうしてか嫌われてしまったという経験をしてしまった方が。
その原因が、劣等感の強さにあります。劣等感が強すぎることで本来の自分が好かれるはずがないと思い込み、理想の自分を演じる。そんな自分を、相手が求めていないのにです。
無理をすることは、偽りの姿を見せるということ。
無理をしないことは、本当の姿を見せること。
あなたは相手の偽りの姿と本当の姿、どちらの姿を見たいでしょうか?
本著を読むことで、
- 自分は頑張っているのに、周りはわかってくれない
- 嫌われ者になってしまう
- 愛されない
ということの原因を知ることができます。原因を知ったからと言って、すぐにその状況が改善されるかはわかりません。ですが、あなたの状況を客観的に知ることができるのは大きな進歩となり、改善の一歩です。
ぜひ読んでみてほしいです。
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