ミニマリストでは経済回らない?反論とミニマリストの語る経済論

せい

こんにちは。せい(@aodama_s)です。30代独身男性ミニマリストです。

『物を買わないミニマリストが増えれば経済が回らない!止まってしまう!』という批判をたまに耳にします。

果たして本当にそうでしょうか?

この記事ではそのような批判に対する反論を、ぼくや他のミニマリストの具体的な行動、そもそも経済とは何か?という観点から述べていきます。

これからミニマリストになってみたいけど批判が怖いという方に安心できるような記事内容になっていますので、ぜひ読み進めてみてください。

まずは、批判の根本となる経済というものが、そもそも何なのかということについて述べていきます。

ミニマリストが経済を回していないことへの反論

経済とは何か?

経済について、goo辞書では以下のように定義されています。

引用元:goo辞書経済(けいざい) とは? 

物やサービスを作り、それを販売して、誰かが消費する。
その流れが経済ということです。

ここでまずポイントとなるのは、物だけが経済の要点ではないということです。
形ある物だけなく、形なきサービスもまた、経済を支える要点。
ですので、物を買わないからといって経済を回していないという批判は、少し結論が早すぎます。

そもそも、現在の一般家庭において、物とサービスの支出はどのくらいの割合でしょうか?
消費者庁の「財・サービス支出の内訳」を見てみましょう。

引用元:消費者庁 令和3年版消費者白書 第1部 第1章 第6節 (1)家計消費、物価の動向

財(商品)は全体の約6割、サービスは約4割となっています。
この内容を、あなたはどう見ますか?
意外とサービスへの支出が多いと感じたのではないでしょうか?

この図を見て、物だけで経済が回っているわけではないということがお分かりかと思います。

では次は、そもそもミニマリストは本当に物を買っていないのか?という点について述べていきます。

ミニマリストは物を買っていない?

結論から申し上げますと、ミニマリストもちゃんと物を買っています。

しかし、一般の方との違いをあえて挙げるとすれば、それは買い物の頻度と1回の買い物で使う額の違いでしょう。
ミニマリストは、買い物の頻度が少ない代わりに、1回の買い物で使う額が大きくなりやすいです。

そうなる理由は、物を大切にしているからです。

ミニマリストは物を少なくすることで、少ない持ち物を大切に扱います。
結果、長持ちしますので何度も買うということが無くなります。
なので、買い物の頻度は少なくなるということです。

また、すぐ壊れてしまうような粗悪品は選びません。
そうしますと、素材や造りが高品質のものとなるため、高価な品になります。
結果、1回の買い物での支出は大きくなりやすいです。

ですので、例えば1か月という短い期間ではなく、1年といった長期的な視点で見れば、物への支出は一般家庭と大きな差はありません。
通常1か月ごとに買い替える物を、半年あるいは1年と長いスパンで買い替える。
その分、通常の物よりも高価な物になる、ということです。

ミニマリストは物を買っています。
ただし、大切に長持ちできる商品を選ぶため、買い物の頻度は少なく、高価な品になりやすいのです。
それが、他人の目には物を買っていないと映ることもあるでしょう。

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ミニマリストはお金を使わない?

ミニマリストの中には支出を低く抑えようと頑張る方もいます。
ぼくもその中の一人です。

経済とは、いってしまえばいかにお金が回るか、ということになってきます。
物もサービスも、お金を回すための手段です。

そういった支出を抑えるミニマリストを指して経済を回していない、という批判も見受けられます。
果たして本当にそうでしょうか?

そもそもなぜ支出を抑えるのか?
それは、使うべき時に使うためです。

ただ貯め込んで終わり、ではなく使うべき時がきたときに使えるようにするため。
例えば、失職したときの生活防衛費として当てたり、家事を楽にする生活家電を導入するためだったり。
その使い道は様々ですが、使う目的があるから支出を抑えています。

つまり、『今』は使わないというだけであり、いつかは使うお金であるということ。
これはミニマリストに限った話でなく、一般家庭でも貯金や節約といった形で実践されている話です。
ミニマリストだけが行っている特別なことではありません。

ここまで、ミニマリストが経済を回していないという批判に対する反論を述べてきました。
ミニマリストと経済との関係は、良くも無いが悪くも無い、という印象になったのではないでしょうか?

しかしぼくは、これからの日本経済にはミニマリストの考え方がとても大切になってくると感じています。
日本という国の在り方、国際情勢の変化、環境問題…こういった様々な問題に対し、ミニマリストの考え方は助けになってくると考えます。

ここからは、ミニマリストの考え方が日本経済、そして日本社会においてどのように役立つのか、ぼくの考えを述べていきます。

ミニマリストが日本経済を助ける

脱・大量生産大量消費

日本は資源が乏しい国と言われていますが、未だに大量生産大量消費という状態です。
100均の店舗があちこちにあるのがいい証拠です。

しかしこの大量生産大量消費を支えているのは何でしょうか?
そう、石油です。

石油という大量かつ安価な素材、エネルギーがあるからこそ大量生産大量消費が可能となっています。
しかしその先にはもう暗雲が立ち込めています。
石油が無くなってしまうかもしれないという暗雲が。

とはいえ、実際にはいまだに石油は出ており、その心配はないのでは?と思う方もいるかと思います。
秋田大学の藤井光教授は以下のように述べています。

可採埋蔵量は地下の探査により石油が新たに見つかれば増加しますので、一定ではありません。また、存在が分かっている石油でも、極地や大深海底などにある場合、石油の粘性が高く流動性が低い場合、石油を貯留する岩石が石油を流しにくい性質の場合などでは生産するコストがかかりすぎて、可採埋蔵量には入りませんが、…

引用元:秋田大学「50年後に石油は枯渇する?」

簡単にまとめますと、今の残りの石油埋蔵量は低コストで掘れるものであり、採算が取れないであろう箇所の石油は含まれていない、とのことです。
ですので、石油そのものはすぐにはなくならない。
石油がもっと高騰すれば、高コストの石油も利益が見込めるので掘るようになるだろう、とのことです。

今はプラスチックはとても安い商品です。
バンバン消耗していますね。
それは、石油がとても安いからこそできることです。
石油が高騰すれば、プラスチック製品は安い商品ではいられなくなります。

つまり、近い将来に大量生産大量消費社会は崩れるだろうと思われます。
その時に大切になってくるのが、長く使える物、そして大切に扱う心です。

プラスチック製品は腐ったり錆びたりしませんが、劣化はします。
ですので、どうしても長く使い続けることはできません。

一方、木や皮、金属製品は、適切な処置をすれば長く使えます。
処置を誤れば腐ったり錆びたりしますが、扱い方次第で物としての寿命を大幅に伸ばすことは可能です。

一つの物を大切に、長く扱う。

これは決してミニマリストが新しく始めた事ではなく、昔の日本から培われてきたものです。
資源の乏しい国だからこそ、簡単に捨てたり廃棄せず、大切に扱いながら修理して長く扱う。
その時代を今一度復活させること。

大量生産の安価な商品は使わない。
長く使える確かな一品を、大事に使う。

この心を広めることがミニマリストの役目だと考えます。

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ゴミの削減

一つの物を長く扱うことは、同時にゴミの削減につながります。

物が壊れれば、それはゴミになります。
すぐ壊れるものは、それだけゴミを増やすことに繋がります。

それだけではありません。

壊れたからと言って新しく買い直すと、そこでもまたゴミが発生します。
包装材です。

さらに、その商品が安価な品ですと壊れていなくても使わなくなった時、ゴミとして出すしかなくなります。
安い商品では、誰も買ってくれない。
わざわざ人から買うより、店から買ったほうが新品だし、綺麗だからです。

ここでも、確かな品質で高価な品であれば違ってきます。
長く使えて高価な品なら、おいそれと新品で買うのは難しい。
しかし、使うには問題ない。
つまり、中古で売れやすくなります。

ゴミになりづらい、ということです。

長く使いますから、買い替えによるごみの発生も抑えられる。

ミニマリストの『高くても長く使える物を買う』という考え方は、ゴミの削減につなげることができます。

運送業の負担軽減

物を長く大切に扱うことは、運送業の負担軽減にもなると考えます。

長く扱えば、物を買う頻度は当然減ります。
それだけ、宅配業者に掛かる負担は減ることでしょう。

今は何でも通販で買う時代です。
買っている物はそれこそピンキリ。
数百円で買えるものから数万円、それ以上するものでも通販で買えます。

このような、安い商品をあちこちに宅配するやり方は無理があります。
もうすでに、宅配便のドライバーは限界です。

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そこで考えるのは、すぐ壊れる安い商品は買わずに、高くて長持ちする商品を買うこと。
そうすれば、宅配で買う頻度は減り、ドライバーの負担は減ります。

負担は減っても、仕事も減って給料が下がったら意味ないんじゃない?

そこで重要なのが高い商品であるということです。
高価な商品であれば、確実に届けてほしいと思いますよね。
ですので、高価な商品の場合は輸送費用を上げ、確実な輸送を依頼するのです。

安い商品を安い配送料でたくさん配る薄利多売をやめ、高い商品を高い配送料で少なく確実に配る厚利少売にシフトする。

その環境づくりとして、ミニマリストが高くても長く使える物を愛用する、その姿を社会に見せていくことが重要だと考えます。

国際情勢の変化を受けにくい

ミニマリストの中には、光熱費を極限まで削減している方もいます。

日本は光熱費の元となる電気やガス、さらにその大本となる天然ガスや石油をほぼ100%輸入だよりです。
自国内で一切賄えていません。

それはつまり、国際情勢の変化をもろに受けるということです。

未だ収まらないロシアウクライナ戦争。
これによって、液化天然ガスの供給に大きな影響を受け、日本の電力会社はこぞって値上げを国に申請しました。

外部記事→東北電力「電気料金の値上げについて」

これが通れば大幅な値上げとなり、家計のダメージは相当なものとなります。
しかし、ここで重要なのは値上げとは割合であるということです。

当たり前と思われるかもしれませんが、これがかなり重要です。
例えば、10%値上げするとした場合、元が1,000円なら100円が増加します。
しかし、元が10,000円なら増加は1,000円です。

元となる金額が大きければ多いほど、値上げの金額は増えます。
元となる金額をどれだけ抑えられるかが、値上げ幅を抑えることにもつながります。

節電、光熱費節約は避けられない状態です。
ミニマリストには電気代に気を配り、如何に抑えられるかを考え続ける人もいます。
資源は限りあるものであるという意識もありますが、余計な出費をしないようにと考える。
そんなミニマリストの姿勢があれば、国際情勢の変化も耐えられる家計にできると思います。

関連記事→こたつを使わない足元の寒さ対策にはこれ!節電しながら冬を乗り切ろう

最後に

ここまで、ミニマリストは経済を回さない?から始まり、ミニマリストが日本経済に役立つという考えまで述べてきました。

ミニマリストは経済を回していないわけではありません。
それどころか、将来において先んじた考え方をもって行動していると考えます。
物を少なく、長く使い、無駄な素材・エネルギーの消費を抑える。
バンバン消費して経済を回す方法は終わりの時です。

薄利多売から厚利少売へ。

一つ一つの価値がもっと高まり、大切にされる世界に変わっていくことを望みます。

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ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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