アイキャッチはシネマトゥディより引用
今回は劇場版『ガンダムSEED FREEDOM』を観た感想記事です。
約20年ぶりのガンダムSEED。アニメ放映時は高校生だった自分が、今回の劇場版を観た感想を率直に語ります。ぶっちゃけ、突っ込みたいところがありすぎてまとまりきらないくらいです。
ネタばれ満載なので、まだ見てない方はこれ以上見ないでください。
目次
総合評価『3』
まず総合評価は、5点満点中3点。可もなく不可もなくというのが、正直な意見。
ここからは3点という評価になった点について、
- 演出
- ストーリー
の2つの点でおおまかに語っていきます。
演出
少女漫画チックな演出
今回新たに登場したファウンデーションの宰相やブラックナイツによる精神攻撃。これがなんといいますか、まるで少女マンガでヒロインとイケメンが出逢ったときのラブロマンスのような演出で非常にシュール。
ガンダムSEED、Destinyいずれにも無かったのに今回いきなりそんな演出をされると正直戸惑いました。
ハイネ演出の多用
ハイネ演出とは、キャラ死亡時に期待の爆発に合わせて搭乗者が半透明となってアップで映る演出と、ぼくは勝手に読んでいます。
このハイネ演出があちこちで使われるのがなんともシュール。そもそもこれ、DestinyのHD版ではなくなってる演出なんですよね。なのになぜ劇場版では採用したのか意味不明。
ぶっちゃけこの演出、ギャグマンガでは全然アリなんですが…というかギャグマンガで多用されたせいでシリアスシーンで使われると興ざめ感がすごい。
種割れ演出の変更
これは結構がっかりしました。なぜこの演出変えた?
なんか、例のギ〇スみたいな神経をさかのぼるような演出で、そうじゃないだろ感がものすごい。
そこはアニメ版を順守してほしかったなぁ…
ステラ魔物化
うーん、これもヒドイ…
シンが精神攻撃を受けたとき、シンを守るかのようにステラが出てきたらどんどん豹変していって…いや、シンの深層心理でステラってそういう扱い?
闇が深すぎるという演出なのかもしれませんが、どうにもシュール… しかもストーリー上ではシンはほんとに脇役で、そういうのを匂わせるのも無しで『これ』だから尚更。
デスティニーガンダムの光の翼塗りつぶし
一番ショックだったのここかも。
デスティニーガンダムの光の翼が、展開時に塗りつぶし状態だった。あの半透明さが良かったのに、強い光を演出するためなのか向こうが見えずべた塗り状態。
せっかくのワクワクシーンで思いっきり水を差された気分です。
全体的に光演出強すぎる
最後に、全体的に光が強い。バトルシーンも含めてひたすら光ってるので、何やってるのかだんだん訳わからなくなってくる。もうちょい光抑えて、重みというか、実体感ある演出にしてほしかった。
ストーリー
突っ込みたいところ山盛りですが、一つずつ。
フリーダムじゃなくてラブだろこれ
フリーダムどこ?ここ?
…と困惑するくらい、フリーダム要素が見えない。むしろ、ただのラブロマンスじゃねーかと。
まとめれば、キラとラクスの愛が障害を乗り越えてさらに燃え上がった…だけ。確かに本編ではキラとラクスってなんかいつの間にかくっついたねという感じがすごかったから、その補填みたいな感じに見えました。
ただ逆に言うと、本編がそこまでじゃなかったのに、劇場版でこんなに熱愛でしたみたいにされても、「え、ああ、そ、そうなんですか~、ははっ…」と乾いた笑いにしかならない。
せめてムゥとマリューくらいちゃんと恋愛してます感を本編と同じくやってればわかるけども。
ファウンデーション
デスティニープランの後継者みたいな感じだったけど、ラクスを利用したいところまで真似しなくてもなぁ…と。確かにラクスも遺伝子上そういう扱いとして作られたから、デスティニープランに則っていると言えばそうなんだけど。
デュランダルもラクスに関わって眠れる龍を起こしてしまっているし、学べよと思いたい…
そういう意味では、ラクスは良くも悪くも影響力でかすぎて太陽のよう。近づきすぎればわが身が焼かれるように。
アスラン
劇場版だけを見て思ったのは、「結局この人何してたの?」という点。
その後でオフィシャルサイトみて、やっとアスランの立ち位置とか分かったけども、本編では何か調査をしてる風というだけでどこ所属かもさっぱり。そこまで事細かに説明してたら尺がたりないのでしょうが、あまりにバッサリされすぎて何もかもが唐突。
あとはやっぱり、エロイ妄想で心読まれるのをかわそうとしたのは、そりゃあ敵にも突っ込まれるよ… しかも特に意味無く結局読まれて、けどリモートで…って、あの妄想シーンいる?って思った。
ちゃんとアスランがカガリのこと想ってるって伝えたかったから?だとしてもねーわ…
劇中でほぼ絡みなく終わったからなんだろうけど、シュールとしか言いようがない。そのあとカガリからも突っ込まれてるし。
あとは、意外とアスランがラクスの元婚約者って情報、知られてないのね。「自分の知ってるラクスは~」のところで背景の人たちがざわついていたけど。婚約してたのがCE71までで、フリーダム時はCE75だから4年前… 忘れられるにはちと早くない?それとも公表されてなかっただけ?
ブラックナイツ
かませ乙。
…なんだけど、もうちょいシーン欲しかった。劇中前に一度ブラックナイツと模擬戦?らしきことをして、キラたちがフルボッコされたみたいだけど、その辺の描写もうちょっと欲しかったなぁ。
最後、4人がまとめてシンにフルボッコされたシーンは、ミラージュコロイドによる分身演出の犠牲やね。ミラージュコロイド進化しすぎ。残像とか光学迷彩とかもう置いてけぼり。
海賊艦長
相変わらずマリュー艦長の扱いヒドイ(笑)
まぁ大気圏内でバレルロールさせた人だし、その戦術で手段を選ばない海賊呼ばわりされても仕方ないですね。だからといって、最後艦艇ごと突っ込まなくても… 大質量の艦艇がぶつかってくるとか恐怖でしかないでしょう。
ただ、レクイエムを急制動かけてかわしたシーンは痺れた。あれは素晴らしかった。
キラ
まぁあれだ。ラブコメ主人公バリバリでした。
戦闘シーンはキラらしさが最初しか無くて、あとは物足りない感じ。ラクスと合体(意味深)してからは特に。この辺からも、戦いに悩むよりは愛に悩んでるのが強い。やっぱりフリーダムよりラブ。愛は強い。
シン
前作主人公()。
劇場版では完全にキラについてく子犬状態。せっかく「フリーダムキラー」なんて仇名付いてるなら、そのことでキラとの絡みが見たかったなぁ。キラ側はシンについて、全然なんにも無いのか。蚊帳の外という感じ。
最後はブラックナイツ4人を撃つ大戦果を挙げたけど、それまでがちょっと。デスティニー搭乗でこれなら!となったときは最高潮だったけど、それに水を差した光の翼は許さない。
メイリン
髪型変えすぎ。姉も他の面々も全然変わってないのに、君だけ変わりすぎ。最初だれだか分らんかった。
ここまで個別に見たツッコミどころしかないレビューでした。
最後は、全体的な感想です。
全体の感想
色々ツッコミはしましたが、それでも面白いと思う作品でした。
ただ思うのは、ストーリーのボリュームに対して2時間というのは短すぎたのではないかというところ。最後の当たりは、他の戦況だったり場面をカットインで入れてくるなど、本編などではなかった演出がちらほら。一つ一つのシーンを事細かに魅せる時間が無かったのが伺えます。
説明も足りないし、肝心のバトルシーンも速さと派手さはあるけど、そのせいで何やってるか訳わかめ状態。戦局があちこちにあったせいで、少ない残り時間がますます少なくなり、詰め込みすぎ。
個人的には、前半と後半の二部構成にしたらボリュームの濃度がちょうどよくなりそう。キラが墜ち、アークエンジェルも墜ち、そしてラクスはファウンデーションに連れ去られ…て前半終了。後半はラクス奪還。
最近だとFate/stay night: Heaven’s Feelみたいな3部作の例もあるから、無いわけではない。できるかは別だけど。せっかくの20年作品だけど、いろいろ残念ではありました。
あとは20年経ったせいなのか、演出が全体的に最近よりになったのは、懐古厨として残念なところ。派手だけど軽いんですよね。
気になったのは、人物の動きが滑らかすぎて気持ち悪いと思った。リアルの人間でもあそこまで滑らかに動かないのでは… 淀みなく動きすぎて違和感。
最後に
というわけで、劇場版『ガンダムSEED フリーダム』の感想でした。
手放しに褒めるほどではないが、酷評して終わるほどではない…という可もなく不可もなく、でした。他のガンダム作品の劇場版は見たことが無いのでわかりませんが、他のもこんな風に詰め込みストーリーなんですかね?
ガンダムは時代背景が多分に絡むので、どうしても話が重くなりがち。そのせいでボリュームが増えるので、どうしても省略せざるをえないところが出てきてしまうのでしょうか?
それではまた。
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