[雑記]どうして映画館ではポップコーンが売られている?ポップコーンと映画館の売り上げの関係を仮説立ててみた

ちょっとした疑問。
なぜ映画館ではポップコーンが売られているのでしょうか?

映画館でポップコーンが売られるようになった歴史についてはいくつかのサイトで解説されています。

世界恐慌による不況の中でも、映画館はお菓子の力もあり、利益を得ることができていました。しかし、だんだんと経営は傾き始めます。そこで大手の映画館では各店舗にポップコーンのマシンを置くことにしました。しかし、そのうちいくつかの店舗は客層に合わないとしてマシンを置きませんでした。すると、マシンを入れなかった店舗は少しの間に赤字になってしまったのです!このことによって、映画館は生き残って行くためにポップコーンが重要なアイテムだと認め、持ち込みを許したのです。

引用元:映画館にポップコーンがある理由とは?【ポップコーンと映画館の関係の歴史】

経緯を簡単にまとめますと、

  • 娯楽を鑑賞するときにポップコーンがお供として親しまれるようになった
  • 映画館は当初はポップコーンの持ち込みは禁じていた(匂いや音が原因)
  • しかし徐々に映画館でポップコーンの販売が増え始める
  • ポップコーンを販売しない映画館は赤字になっていった
  • 利益優先で映画館がポップコーンを売るようになる

ポップコーンは原価が恐ろしく安い(原価率は驚異の85%)ため、映画館の収益としてはかなり大きな割合を占めているそうです。

映画館にとって、ポップコーンは無くてならないものと言えるでしょう。

どうしてポップコーンで売り上げが上がる?

しかしこれだけでは、納得できない点があります。

それは、なぜポップコーンで売り上げが上がるのか?という点です。前述したように、ポップコーンは原価が安いからというのはあります。しかし、それだけでそんなに差がつくものでしょうか?

疑問なのは、ポップコーンと入場者数の関係です。ポップコーンを売る映画館と売らない映画館。その二つがあったとして、入場者数に違いがあるのでしょうか?今ではもうポップコーンを売っていない映画館のほうが珍しいので、検証するのは難しいかもしれません。

そんな疑問を抱えていたとき、ある本を読んで一つの仮説が立ちました。

読んでいたのは、『原訳「スッタ・ニパータ」蛇の章』という本です。スリランカ仏教界の長老スマナサーラ師の著書で、お釈迦様の教えを忠実に守り、その教えを日本に広めている方です。

ちなみに日本の仏教は大乗仏教と呼ばれ、この本で解説されている上座仏教とは異なります。上座仏教がお釈迦様の教えを忠実に守る仏教に対し、大乗仏教は日本に伝来する過程で様々な教えを取り込んだため、この二つは同じ仏教ながらかなり異なります。

この本の中では、欲について『「もっと欲しい」という不治の病』という項目で、映画を観るという内容でポップコーンにも触れています。

簡単に言いますと、ポップコーンを食べながら映画を観るという、集中力を欠いたことをしているから、映画を一度見ただけでは満足できず、何度も観ようとするということです。

ふだん私たちがどのように映画の鑑賞をするのかというと、…、ポップコーンかポテトチップスをバリバリ食べる、…。本当に映画を観たのでしょうか。…それで、来週も、この映画を見ようと、計画まで建てるのです。集中力が無かったから、明確に堪能しなかったから、「もっと欲しい」という欲が生じたわけです。

引用元:原訳「スッタ・ニパータ」蛇の章 『「もっと欲しい」という不治の病』

この欲の考え方からおそらくポップコーンを売り出すことで、ポップコーンの売り上げのみならず、リピーターも増えているのではないかと予想します。

ここからは仮説ですが、ポップコーンを食べながら観ることで、「なんとなく面白かった。またもう1回観たい」となり、同じ映画を同じ映画館で繰り返し観る。一方、ポップコーンが無い映画館では、客は映画を集中して観るから1回で満足する。だから、同じ映画でのリピートが無く、売り上げは上がらない…ということなのではないかと思います。

ぼくはポップコーンは食べません。また、しょっちゅう映画館に通うほど映画好きというわけでもないので、あまり自分事として考えるのは状況が難しいところですが、確かに同じ映画を何度も観たいと思ったことはありません。1回観れば満足で、何回も同じ映画を観に行く人のことが不思議でした。

集中して楽しめば1回で済む

この集中して楽しむことで、『もっと』という欲が生まれずに済むというのは心当たりがあります。

ぼくはごくごく稀に外食しますが、同じ店をリピートすることはほぼありません。1回行ったら、2度目はまずないです。友人に紹介するときに一緒に行くくらい。

それは、外食するときはその店の料理を楽しむことに集中しているからだと思いました。ぼくは初めての店は1人で行きますから、料理が来れば1人で黙々と食べることになります。その最中はスマホも何も弄りません。ひたすら食べることに集中しています。

なので、食べ終えて店を出るときにはしっかり満足しており、もうこの店には来なくていいなと思っています。しかも量も決して大盛りでもなく、普通盛り。でも満足したから、もう十分なのです。

その逆なのが、自宅での食事です。自宅ではつい動画を観ながら食事をしています。そうすると、集中していないからか、同じ物を何度も食べたくなります。特にパンはリピート率が高いです。パンは買ってきて自宅で食べるため、動画を観ながらが多い。それで集中を欠き、満足していないためにリピートしてしまうのだと思います。

ただ以前に、動画も何も見ずに家で食事をしていた時期もあります。黙食ともいいます。が、すぐにやめた…といいますか、根を上げました。家での食事を集中し続けることがすごくつらかったからです。

外食は初めての食事ということで食事の内容に興味があり、集中できます。しかし、自炊の食事の内容はとっくに分かりきってる物ばかり。分かりきってる物に対し集中することがこんなに辛いとは思わず、やったほうがいいことだと分かってはいるけどできていません。

食事の量を減らし食べる時間を減らしたりと、少しずつ進めていこうと思います。

『原訳「スッタ・ニパータ」蛇の章』では欲について詳しく書かれていますので、欲をなんとかしたいと考えている方は読んでみることをオススメします。

ミニマリストとして物欲をはじめとしたさまざまな欲はどうしたら手放せるかというのは、日々の命題です。集中して、楽しんで、満足する。今回のポップコーンと映画館のように、『ながら作業』をすることは欲を増大させる行為として肝に銘じておきたいと思います。

それではまた。

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